八重の桜

「八重の桜」最終回レビュー

1894年に日清戦争が勃発。八重は赤十字の篤志看護婦として広島の陸軍予備病院で看護活動の指揮をとっていた。 そこにやってきたのは扇情ジャーナリストの徳富蘇峰であった。徳富は戦争を望む国民の声に沿うようなイケイケどんどんの記事を書いて、戦果を求め…

見直したぜあんつぁま『八重の桜』第四十九回レビュー

襄の死後、覚馬が同志社の臨時総長の職に就いていた。時代は日清戦争勃発の3年前であり、日本は富国強兵をすすめていた。この前年に出た教育勅語の精神にキリスト教の教えが相容れないとして同志社を批判するものもいて、同志社の入学希望者も大幅に減ってい…

なぜか山路愛山のキャスティングにだけ拘るNHK『八重の桜』第四十七回レビュー

今回は、伊藤博文と大隈重信という、今ひとつ華に欠けるふたりの会談からスタートした。視聴率市場主義に対するアンチテーゼであろうか。20代女性の9割は冒頭でチャンネルを変えてしまっただろう。場面かわって山本家。前回、覚馬とうらとの間の子どもでイ…

大河の誤表示問題『八重の桜』第四十六回レビュー

駆け落ちしてねえし!

ダークヒロイン八重の大冒険『八重の桜』第四十五回レビュー

大河史に残るダークヒロイン誕生の瞬間を目撃した。 今回の話は不倫をめぐる話でして、昼ドラ的な香りが濃厚な回であった。八重の兄である山本覚馬の妻である時栄が今回の主役であった。ちょっと時代をさかのぼって復習してみると、覚馬は幕末に京都守護職に…

舎監室デショbyアリス・スタークウェザー『八重の桜』第四十四回レビュー

今回の話はどういう話かと言いますと、色々あるんですが、先ず同志社を大学に格上げしたい襄が資金集めのためにヨーロッパに渡ります。ところが旅先のスイスで強烈な胸痛に襲われた襄は死を覚悟して気力をふりしぼって遺書を書き残す。それをあわてんぼうの…

Yes, UDEZUMO! 『八重の桜』第四十三回レビュー

デデデデデデデデーーーーーーーーーーン、デンデン。 UDEZUMO! Yes! UDEZUMO! Yes! UDEZUMO! Yes! UDEZUMO! Yes! UDEZUMO! Yes! UDEZUMO! Yes! UDEZUMO! Yes! UDEZUMO! Yes! UDEZUMO! Yes! 八重と大山、腕相撲、イエス! のぶ代じゃないよ、巌だよ、イエス…

うららうららうらうらら『八重の桜』第四十ニ回レビュー

明治15年になると板垣退助は自由党を結成する。しかし、そうした動きに反対する暴漢が板垣を襲撃。板垣はナイフで刺されてしまう。ここで刺された際に板垣が言い放ったのがあの有名な「痛い!痛い!無茶苦茶痛い!」が新聞報道されて全国に広まり、政党政治…

婿をとるべきか嫁にいくべきかそれが問題だ『八重の桜』第四十一回レビュー

覚馬とウラの娘のミネは熊本バンドのハンサムボーイ伊勢トキオと恋に落ちます。イエス!フォーリンラブ。伊勢TOKIOは同志社英学校を卒業後、タオル美術館のある今治でキリスト教の不況活動に従事していました。遠く離ればなれになったミネとTOKIOは、手紙と…

ミスホラ吹き男爵。またの名を忍者ハッタリ半蔵の大冒険『八重の桜』第四十回レビュー

明治11年になりました。全国的にはですね「民主主義だよおっかさん」という民の声に押される形で、政府は地方府県会の設立を決定しました。これによって八重の桜的には、クソ真面目なクソ野郎こと山本覚馬とテンション壊れかけガバナーこと槇村知事との対決…

大きな反乱も小さな反乱もネズミを獲る猫がいい猫だ『八重の桜』第三十八回レビュー

明治10年。同志社英学校の本校舎が今出川に完成する。感慨深げに新しい学び舎に足を踏み入れる㐮と八重であった。するとそこに熊本バンドがドカドカと入ってきた。前回放送分であれだけ揉めてたのだから、㐮&八重と熊本バンドとは血で血を洗う戦いが見られ…

くまモンバンドの明日なき暴走『八重の桜』第三十七回レビュー

結婚した八重と襄は、新居ができるまで覚馬の家で居候をすることとなった。山本家にはアメリカ式の生活がどんどん導入されていく。朝食はベーコンとスクランブルエッグになっている。大腸癌の罹患率が上昇してしまわないか非常に懸念されるところです。 襄は…

京都のことは弘樹におまかせ『八重の桜』第三十六回レビュー

明治8年。八重は新島襄との婚約し、山本家はお祝いムードに包まれる。八重さんは1845年生まれなので30歳の時の話。 ところが、せっかくのお祝いムードをぶち壊す話が飛びこんでくる。八重は女紅場で突然の解雇通知を受けたのだ。耶蘇(キリスト教)への反発…

尚之助が死んだのと同じ放送回に襄と婚約『八重の桜』第三十五回レビュー

前回は、襄が八重にプロポーズしたところまででした。すんなり承諾を得ることができなかった襄は、居候している覚馬邸で悶々としています。翌日の朝食の席で、襄は覚馬や八重ママらの前でプロポーズの件を報告する。すると風吹ジュンがぶったまげて味噌汁を…

ハセキョー・ルックス・イースト・フォーエバー『八重の桜』第三十四回レビュー

明治7年11月、襄が帰国した。髭は剃ったほうがいい。10年ぶりの帰国である。米国での死亡説も出ていただけに専門家の間でも驚きが広がっている。襄は、眉毛で演技をしすぎるミッチー木戸のもとを訪れ、日本でキリスト教の学校を設立したいという希望を伝え…

うらはどこへ行ったのか? 『八重の桜』第三十三回レビュー

1873年。八重が、日本で最初の公立女学校と言われる女紅場の住み込み舎監となり、そして同時にひとりの学生として英語を学ぶ生活が始まってから1年が過ぎていた。 一方、京都府知事(大参事)のハイテンションは続いている。東京への転籍を訴える京都の豪商…

「すべては巡りあわせ」で一件落着でござる『八重の桜』第三十ニ回レビュー

1871年、京都の覚馬邸での生活が始まる。しかし、時栄とひとつ屋根の下での生活には微妙な空気が流れまくって視聴者の方がいたたまれなくなる。覚馬は「九年ぶりに皆で暮らせることになりました」と亡き父に報告するが、ミネは「皆揃ってなんかいねえ!」と…

別れます別れません分かりません『八重の桜』第三十一回レビュー

今回は冒頭で尚之助から米沢の八重宛に手紙が届く。色めき立つ山本家であったが封を開けてみるとそこには離縁状が同封されていた。「なんじゃこりゃ~じぇじぇじぇ」と絶叫する八重であった。 一方、斗南で新生活を始めた旧会津の人々は極貧生活を強いられて…

敗戦後論『八重の桜』第三十回レビュー

ジョー キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!! 死亡説が出ていた新島襄であるが、今回放送文の冒頭で生存が正式に確認された。しかし、依然としてアメリカに滞在中であり、今後の展開によってはアメリカで絶命する可能性も残されており、まったく余談を許さないというのが専門家…

「ここに女が紛れておるぞ!」『八重の桜』第二十九回レビュー

戦況は悪化して、東北諸藩は次々と降伏する。兵糧が尽きかけた会津は補給路再開のための決死隊を組むが、そこに八重の父権八も参加することとなる。 山川大蔵は冬が来れば戦況も変わると主張して強気の姿勢を崩さない。しかし、冬まで持つとは思えないほど攻…

レ・ミゼラブル(ああ寝坊)『八重の桜』第二十八回レビュー

前回までに戦略的に重要であった小田山を奪取されていよいよ形勢が悪化したのでありますが、アムロ大蔵がくまもんのきぐるみを着ることで敵を撹乱し、見事に会津若松城に入城したことで会津の士気がややあがるというところまで話が進んでいた。この状況で今…

大河で戦闘シーンは難易度高いです『八重の桜』第二十七回レビュー

重い展開でなかなか言い出す機会がなかったのですが、板垣退助役の加藤雅也さんがますだおかだの岡田さんにしか見えないという悩みを抱えながらドラマは進みます。 髪を切った八重は夜襲に参加して、往年のクリント・イーストウッドばりに撃ちまくります。会…

ドラマと史実の境界について『八重の桜』第二十六回レビュー

新政府軍は一気に鶴ケ城に迫る。この事態に女も子供も鶴ケ城に入城する。城内にはもう精鋭部隊は残っておらず銃の部隊を指揮する者もいない。そこで八重が銃の部隊の指揮をかって出る。官兵衛も神保内蔵助も「おなごの出る幕じゃねえ」「おなごに戦はできね…

冬が来る前に『八重の桜』第二十五回レビュー

さて八重の桜も二十五回目の放送が終わり、今晩(6/30)の放送が第二十六回ということになります。実は幕末から明治維新にかけての歴史には昔からなぜか興味が持てなかったのですが、八重の桜を見てふむふむへえへえと少しは考えるようになりました。遅まき…

悲劇の描き方について『八重の桜』第二十四回レビュー

新政府軍の進軍は続く。奥羽越連合軍は、新政府軍に奪われた白河小峰城をなんとか奪還しようと試みるが、大砲や銃などの兵器類の性能、物量に圧倒的な差があり、あえなく失敗に終わる。 そして白河小峰城を拠点とする新政府軍に板垣退助が合流する。板垣や大…

河井ギャギャギャギャットリング・ベイビー継之助の冒険『八重の桜』第二十三回レビュー

八重の桜レビューも二十三回目となりました(放送では既に二十四回が終了しています)。さて、大河ドラマはドラマというくらいなので、史実そのままを描いているわけではないというのは重々承知しているわけですが、幕末モノくらいになると現代とのつながり…

小沢仁志さん出オチ的な演出に断固抗議する『八重の桜』第二十ニ回レビュー

第22回を迎えた八重の桜であったが、今回は大事件が勃発する。我が家では八重の桜を日曜日の本放送では見ないで、翌週土曜日の再放送を連ドラ予約機能で録画して翌日曜日(つまり本放送の一週間遅れ)の昼食時に視聴するというモダンなスタイルで視聴してい…

「あっ、僕、江戸に帰るね」『八重の桜』第二十一回レビュー

1868年1月。都での会津藩の苦境を伝え聞いた八重らは不安な毎日を過ごしていた。覚馬の娘おみね(突然巨大化)と八重が神社にお参りに行くと、そこには神保修理の妻おゆきの姿があった。八重に気付いたおゆきは「神様を試してはなんねえな」とつぶやく。 第…

「あっ、坂本竜馬は登場する前に死んでた」『八重の桜』第二十回レビュー

坂本竜馬は前回の第十九回で暗殺されましたが、それを書くの忘れてました。結局坂本竜馬は一度も登場せず死んでいきました。 さて第二十回「開戦!鳥羽伏見」でごぜえやす。ほとんど明るい話題がないので超絶書きにくいです。 前回までに大政奉還が済んで、…

「新島ジョジョの奇妙な冒険がまったく始まりそうにないたった777個の理由」『八重の桜』第十九回レビュー

タイトル意味不明。 1867(慶応3)年、慶喜(小泉孝太郎)は徳川家の存亡を賭け、大政奉還を決意する。徳川体制維持のため必死に戦ってきた会津藩士は納得いかないが、会津藩主松平容保は慶喜に従うというから仕方がねえ。 会津では八重が少年たちに鉄砲の指導…