愚者スアレスと徳川埋蔵金

相手を追いかけまわして肘打ちをするサッカー選手は愚か者である。


愚か者ソングは、かつてのカメルーン代表の名選手リゴベール・ソングの甥である。かのリゴベールは94年と98年のW杯本大会でそれぞれ退場処分を受けている。2大会連続で退場処分を受けるというのは前人未到の大記録である。その意味で今回の愚者アレクサンドルの退場も、ソング家にとっては30年 20年に渡る長編退場物語の一幕に過ぎなかったのだ。愚か者の歌が聴こえただろうか?




倒れた相手に頭突きをくらわすサッカー選手も愚か者である。


愚か者ぺぺはアンブロのスパイク「スペシアーリ」を履いているという。この「スペシアーリ」は愚者ぺぺが14歳の頃、父親から買ってくれた思い出のスパイクであるらしい。愚者曰く「今でも新品を手にすると、親父に初めて買ってもらった時のようにワクワクする」という(以上Wikipediaより)。だ、だ、ダマされないんだからね、そんな話で。愚か者の歌が聴こえただろうか?




気に入らないDFに噛み付いたりするサッカー選手も愚か者である。


愚か者スアレスは騒動の直後はしらばっくれようとしていた。バランスを崩したときに当たっただけだと。そんなはずないだろ。愚かである。しかし愚者スアレスは過ちを認めた。なぜかツイッターで謝罪した。そこははてなハイクだろ。そして賢者キエッリーニは愚者に許しを与えた。愚か者の歌が聴こえただろうか?




愚者の愚行が許されないと知りながら、愚者が放つ魅力に抗しきれないという残念な性質を我々自身が持っているという点も否定出来ない。世界中の人々が注目する大舞台で、気に入らない相手を追いかけまわして肘打ちをくらわすという狂気に、愚かな我々はなぜか惹きつけられてしまうのだ。愚か者の歌に聴き入ってしまうのだ。


しかしだからといって今後も愚者スアレスの愚行に世界中のDFが怯えながらプレーするという事態は許容されないだろう。そこで徳川埋蔵金である。現在の価値で一兆円を超えているのではないかと噂される徳川埋蔵金を愚者の愚行による被害の補償に当てるのだ。


スアレスはこれからもおそらくは噛み続けるだろう。いや間違いなく噛む。突然噛む。電光石火の早業で噛む。そしてバレるとこれからはもうしないと誓う。そしてまた噛む。そしてまた誓う。そうなるとやはり愚者スアレスとサッカー界をつなぎとめておくためには徳川埋蔵金しかない。だから糸井さん頑張れ!



愚者よ、お前がいなくなって淋しくてたまらない愚者よ、お前がいなくなって淋しくてたまらない
伊集院 静

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参照
ワールドカップと徳川埋蔵金 - 走れヴィンセント!敗戦処理だ!