「新島襄チラ見せ作戦を続けると同志社大生の一斉蜂起が起きるのではないか」『八重の桜』第十五回レビュー 

シメタキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!


という感じで第十五回はスタート。新島襄扮するオダギリジョーもしくはオダギリジョー扮する新島襄もしくはオダギリジョー扮するオダギリジョーを乗せた船がようやくボストンにたどり着きました。


しかし今回も到着した場面だけを見せるというチラ見せ攻撃。最初は豚の絵を描いただけ、二回目はほっかむりして船に忍び込んだだけ、そして今回またしても。これではまた受信料不払い国民運動に繋がりはしないかとヒヤヒヤします。とにかくこれが慶応元年(1865年)7月のことでごぜえやす。しかし、テロ直後のこのタイミングでボストンとは。持っているのか、持っていないのか、オダギリジョー。とりあえず恐るべし。


一方、日本では、薩摩の抵抗を押し切る形で第二次長州征伐の勅命がようやく下りました。これが慶応元年の九月。


そして一気に場面が変わって会津。慶応二年の元旦。京都と会津で時差があるわけではありません。ドラマの都合です。山本家では覚馬のいない正月を迎えています。しかし、一つ屋根の下に風吹ジュン長谷川京子綾瀬はるかが勢揃いしてるってドラマでもあるまいし! しかも、一家揃って和服で男はちょんまげしてるは女は髪を結ってるわって江戸時代か!


江戸時代のドラマです。念のため。


それはさておき、長州征伐が目前に迫る中、なんと薩摩が長年の敵である長州に接近します。薩長の接近を仲介したのは坂本龍馬ですが、今回の放送では「土佐の脱藩浪士の仲介で」ともったいぶったナレーションが入るだけで龍馬は登場しませんでした。新島襄役にオダギリジョーを持ってくるというNHKのダジャレ体質を鑑みて、坂本龍馬役には坂本龍一がくるのではないかというのが大河専門家の間ではコンセンサスになっていましたが今回はスケジュールが合わなかったのでしょうか。次回以降が楽しみです。それはさておいて薩長の密談の話に戻りましょう。密談の話ではなく、壇蜜の話をしてもいいのですが面倒臭いのでやめます。この密談ですが、薩摩側からは元水球日本代表の西郷隆盛と、高校時代に静岡県大会の決勝で小野伸二と対戦したこともある大久保利通のふたりが、そして長州側からは金麦大好きの桂小五郎が出席しています。チョコモナカの面目と金麦の面目が激しくぶつかりあいますが、最終的に日独伊薩長同盟の密約が結ばれます。


薩長間での歴史的な密約が結ばれた場面の後に、なぜか歴史的に言ってもドラマの筋から言ってもほとんど意味がないのではと思われる中村獅童降谷建志の一騎打ちにかなりの時間が費やされるという前衛的な演出があり、ここで瞬間最高視聴率が82%程度に達したのではないかと思われますがあえてここではスルーしたいと思います。


さてそうこうしているうちに、ついに長州征伐の戦いが始まりました。薩摩と密約を結んだ長州は勢いにのっており破竹の快進撃を続けます。劣勢に立たされた幕府でしたが、その上さらに将軍家茂が発病して病に伏せるというみなしごハッチ状態。じゃなくて、泣きっ面に蜂状態。


会津にしてみればサクサクっと長州を蹴散らして肌の合わない京都から故郷に戻ろうという算段だったわけですが、蓋を開けてみれば幕府側が劣勢に立たされている有様です。これでは覚馬が会津に戻るのもまだ先の話になりそうです。覚馬不在の期間が既に数年にも及んでいる上に、将来の見通しが立たない状況で、覚馬の妻うらの様子もおかしくなってきました。常にピリピリするようになり娘のミネにきつくあたることが増えて来ました。元々役者としては発声にやや難がある長谷川さんですが、今回はこの発声の不安定さが、夫不在のまま幼子を育てる母親の危うい精神状態を反映する形となり結果オーライという印象を受けました。きつく叱られる幼いミネに八重らは同情します。


そんなとき、緊急速報が入ります。徳川家茂が死亡しました。第十四代徳川将軍家茂の死亡がたった今確認されました。


さてこうなると後継者は誰になるのか。松平春嶽らが徳川慶喜擁立に動きます。ところが、小泉孝太郎扮する慶喜は、徳川宗家は継ぐが将軍にはならないなどと言い出します。おそらくこれは、自民党総裁になりながら総理大臣になれなかった河野洋平氏を揶揄する小泉一族の意向が反映したものと思われます。それはさておき、この慶喜の煮え切らない態度に村上弘明扮する松平春嶽は、養命酒でも飲まないとやってられねえという感じで目をパチクリさせています。慶喜は京に上り参内し自ら出陣することを明言します。慶喜が自ら勇ましく出陣を宣言したことで、会津藩幹部の間では、これで幕府軍が劣勢を挽回しようやく長州を打ち倒せるという安堵の空気が流れます。しかし、慶喜の態度に空々しさを感じとった覚馬の心には一抹の不安がよぎります。


そんなとき、会津で大火事が起こります。火は予想以上に広がり、山本家にも火の手が迫りますが、その混乱の中、ミネの行方が分からなくなってしまいます。皆でミネを探しますが見つからず、ハセキョーは半狂乱です。


ミネの身に災いが降りかかりつつある状況で、京都の覚馬の耳にもバッドニュースが飛び込んできます。なんと数日前に出陣を宣言したばかりの慶喜が出陣を取りやめると言い出したのです。まったくイライラするぜ。次回どうなる?