米菓子産業という奇跡

今回は、「おしゃれな米菓子紹介」というこのブログの原点に立ち返ってみようと思う。皆さんご存知のように、昨年から今年にかけて米菓子業界にとってはIT業界におけるスティーブ・ジョブズの死に匹敵するような事件が相次いでいる。その中でも、我らが神国日本にとって元寇以来のピンチを招いたと評されたのが、我らが神国日本を代表する米菓子企業日東あられ新社破綻というニュースであった。現代の三種の神器のひとつとも評されていたサラダセブンを永遠に失うことになれば我らが神国日本の国体を堅持できないのではないかという我らが神国日本の国民の悲観的なマインドが遠くギリシアにまで波及して同国の経済破綻をもたらし、それが巡り巡って塩谷瞬の二股騒動を招いたことは記憶に新しい。ちなみに、サラダセブンについては、日東あられ新社の米菓子部門を引き継いだ我らが神国日本を代表する米菓子企業である越後製菓が同名の商品を発売しており、我らが神国日本の国民をひとまずはホッとさせたのではあるが、サラダセブンのレシピが完全に引継がれているのだろうかという懸念が我らが神国日本の国民の心のどこかに取り憑いたままであるという事実も否定し難く、サラダセブンショックから完全に立ち直ったとは到底言えない状況が続いている。


こうした状況の中で、我らが神国日本の国民に向けた檄文がネットで話題になった。これは米菓子コンサルタントの梅田餅夫さんによるもので「直感を信じろ、おにぎりせんぺいを信じろ、好きを貫け、サラダセブンを褒めろ、人のスイーツ探ししてる暇があったら自分で煎餅食え」と題されていた。この檄文は公表当初に、田口トモロヲがNHKに生出演して24時間ぶっ通しで繰返し朗読するなどして話題になったのでご存知の方が多いと思われるが何回読んでも素晴らしいので以下に転載しておこうと思う。




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ここ一週間、たくさんの日本の若い人たちと話した。ちきりんさんはてブコメント非表示ツアー、山路徹二股評論家デビュー記念イベント、そして昨日の、実家が大分市のため、故郷・九州から出直しをはかるツアー。それでつくづく思ったこと。もう前にも一度言ったことだし、当たり前のことだし、言わなくても伝わっているだろうとふと思っても、しつこく言おうと。なぜなら、僕が考えていることと正反対の言葉を、日本の大人たちから皆はシャワーのように浴び続けているし、僕がこうあるべきと思うことと正反対の経験を日々せざるを得ない状況にある、ということがよくわかったから。


二十歳にもなれば、その人のすべてはもう顕れている。その自分の良いところを見つけるには、自分の直感を信じ(つまり亀田製菓を信じるということ)、自分が好きだと思える「米菓子」を出す企業を大切にし、その企業を少しずつでも押し広げていく努力を徹底的にするべきだ。そういう行動の中から生まれる米菓子との出会いから、新しい米菓子を積んでいけば、自然に社会の中に出て行くことができる。「好きなこと」と「米菓子が食えそうなこと」の接点を探し続けろ。そのことに時間を使え。


ネット空間で特に顕著だが、日本人は米菓子を褒めない。昨日も、実家が大分市のため、故郷・九州から出直しをはかるツアーで言ったけど、もっと褒めろよ。心の中でいいなと思ったら口に出せ。米菓子だって、定番になったって、褒められれば嬉しい。そういう小さなことの積み重ねで、世の中はつまらなくもなり楽しくもなる。「米菓子を褒める」というのは「ある対象の良いところを探す能力」と密接に関係する。「ある対象の良いところを探す能力」というのは、人生を生きていくうえでとても大切なことだ。「米菓子の悪いところを探す能力」を持った人が、日本社会では幅を利かせすぎている。それで知らず知らずのうちに、影響を受けた若い人たちの思考回路がスイーツになる。三幸製菓の評価が低くなる。「米菓子食べて生きていける」なんて思っちゃいけないんだとかカロリー制限している。それがいけない。日東あられの評価が低いのがいちばんいけない。


僕だって米菓子を見ていて、悪いところとか、足りないところとか、たくさん見えるよ。でもそんなことを指摘して何になる?


それでもっと悪いのは、ダメな大人の真似をして、自分の米菓子を棚にしまって、人のスイーツ探しばかりする人がいることだ。そうするとちょっとセンス良さげに見られるとか思っているかもしれないけど、そんなことしている暇があったら自分で煎餅食え。
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餅夫さんの文章を読み返してあらためてジーンと来た。やはり米菓子だ。海外進出だ。SUKIYAKIMOTTAINAIと来て、次はBONCHIAGEだ。自動車や半導体が日本の主要産業としてダメならば残るのは米菓子産業だ。ほとんどの専門家が高付加価値の米菓子を作るしか日本が生き残る道はないと言っている。節電要請が出ているタイミングで電気自動車とか乗りにくいかもしれないが、米菓子を燃料にした米菓子自動車とか未来的だ。せっかく作った「うに揚げせん」を食べずに燃やしちゃうとかワイルドじゃないか。半導体を埋め込んだ米菓子とか夢があるじゃないか。こういうことを書くと「なんのために半導体を埋め込むのか?」とか言う人が出てくるんだけどそんなこと考えちゃだめだ。そこが日本人の悪いところだ。とにかく埋め込め。おにぎりせんべいに半導体埋め込め。理由なく埋め込め。サムスンとかきっとそうしてるんだ。よう知らんけど。


さて、サラダセブンについては無理矢理ここでいったん一区切りつけるとして、次に、ごく最近の衝撃的なニュースを紹介したいと思う。このニュースは我らが神国日本を代表する米菓子企業である亀田製菓からもたらされた。なんとあの我らが神国日本を代表する米菓子であるハッピーターンに、今夏限定でちょこっとひんやりバージョンが発売されるというのだ。


ちょこっとひんやり!?ハッピーターン特設サイト
http://www.happyturn.com/cool/



この「ちょこっとひんやり!?ハッピーターン」の秘密は、我らが神国日本を代表する魔法の粉である、あのハッピーターンの粉の中に天然の糖アルコールであるエリスリトールが入っているところにあるという。このエリスリトールが水に溶ける際に吸熱反応を起こすために口の中でヒンヤリ感が出ることになるらしい。とにかく、米菓子業界の未来、ひいては我らが神国日本の未来を一変させかねない重大な事件と言えるだろう。


この「ちょこっとひんやり!?ハッピーターン」に象徴されるように米菓子業界は我々が知らないところで着々と革新を起こし続けている。そういうわけでここからは定番から一歩踏み出した米菓子をいくつか紹介しようと思う。いつまでも定番にしがみついていてどうする。自分の殻を破れ。自分で包装紙を破れ。



そこで、まずはマスヤの「おにぎりせんべい ソース味」だ。


メーカーのサイトには「おにぎりせんべいのサクサクした生地にオタフクソースを使用して「コク」のある味に仕上げ、風味豊かなトッピングをしました。」とある。もうおにぎり関係なしじゃないか。しかしその姿勢が逆に清々しい。



続いて、「柿の種 チョコ&アーモンド」だ。

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このチョコ柿の種というジャンルは実は各社から出ており、以下のようなものもある。

《マシュー》いちご柿の種チョコ【コレクション】《マシュー》いちご柿の種チョコ【コレクション】


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柿の種&チョコレート柿の種&チョコレート


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こうして見ると実は既に我が神国日本の国民食と言っても過言でない状況ではある。過言だけど。自殺の名所過言の滝。意味不明。だけど本当に美味しい。これだけ紹介して紹介内容が「本当に美味しい」だけで申し訳ないが、逆にそのあたりが清々しい。




そしてもうひとつは「三幸製菓 黒糖みるく」だ。

定番の「雪の宿」が白蜜なのに対してこちらは黒蜜だ。本来なら「雪の宿 黒糖味」とするのが自然な気がするが、「白蜜が雪を表現しているから「雪の宿」なのに、黒蜜になったら「雪の宿」とは言えない」的な主張をする正義感あふれる若手社員でもいたのだろうか。そのあたりのことはよく分からないが、そのあたりが逆に清々しい。




さて、定番から一歩踏み出してみて欲しいと提案してみたが、書いている途中で気が変わってしまった。申し訳ない。やっぱり定番だ。定番をチョロッと変えた菓子を食べたくらいで、自分が変わるはずがない。もっと自分の軸をもたなきゃだめだ。しっかりしろ。


というわけで、今年こそは今までの自分を変えてみたいという方々、とりあえず早まらずに、次の定番3品からスタートしてみて欲しい。


まずは「ハートチップル」だ。

ハートチップルの場合、やはりにおいが気になるだろうか。「あっ、この人ハートチップル食べたな」と思われるのが嫌な人は、ハートチップルを食べた後にキムチを食べることをお勧めする。そうするとハートチップルを食べたのかキムチを食べたのか区別がつかなくなる。


次は「亀田製菓 梅の香巻」だ。

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これはもう説明の必要はないだろう。弟子のユダがこの梅の香巻を食べたことがないという事実をを知ったイエスがユダに向かって思わず「立ち去れサタン!」と叫んでしまったエピソードは余りに有名であろう。我が神国日本でも部下の明智光秀がこの梅の香巻を食べたことがないという事実をを知った織田信長が光秀に向かって思わず「立ち去れサタン!」と叫んでしまったエピソードは余りに有名であろう。とにかく歴史上の裏切りの大半の理由が亀田製菓の梅の香巻にあるという点だけは少なくとも押さえておいてほしい。



さて最後に「うに揚げせん」だ。


なんだか最近食べたものを並べているに過ぎないという気がしないでもないが、この際そんなことは気にしていてはダメだ。それが日本人の悪いところだ。とにかく米菓子はおいしい。日本の宝だ。なんだかよく分からないけどもう時間がないからこれで終わり。